養老の滝――岐阜県・養老町


養老の滝
 伊勢からの帰途、養老の滝から大垣を回った。 伊勢斎宮を訪れた時は一日中雨だったが、翌日のこの日は晴れた。養老の滝は、貧乏な樵の親孝行の心に感じ、滝の水が酒に変わった、という孝子伝説(『古今著聞集』)で有名だ。この話はやがて都にまで伝わり、元正天皇はこの地に行幸、年号を養老と改め、この地方の租税を免じ、孝子節婦を表彰したというから、この伝説は半端じゃない。
 滝の近くまでタクシーで行って、渓谷沿いの道をゆっくり下った。滝は高さが30メートルくらいというから大きくはないが、青葉若葉の間から落下する滝の姿は美しく、水は澄んでいた。渓谷沿いに養老寺、養老神社などの由緒ある社寺・古跡があり、歌碑・句碑のたぐいも多かった。

養老神社 境内にはこんこんと湧く泉があり、孝子源内丞が汲んだ水はここだった、という節もある、という。
 養老寺 孝子源内丞が開いた寺とされるが、永禄年間に信長に焼かれ、慶長12年に再建された。
笠満誓万葉歌碑  「世の間を何にたとへん朝開きこぎいにし船の跡なきがごとしか」が万葉仮名で刻まれている。
芭蕉句碑  「むすふより 早歯にひヽく 泉が南」
北原白秋歌碑  「紫蘭さいて いさゝか紅き石のくま めに見えてすゝし 夏さりにけり」
碧梧桐句碑  「 明るくて 桃の花に 菜たねさしそふる」