小倉――常盤橋・鴎外橋


常盤橋
  鴎外は『独身』の中に、次のように書いている。「常磐橋の袂に円い柱が立つてゐる。これに広告を貼り付けるのである。赤や青や黄な紙に、大きい字だの、あらい筆使ひの絵だのを書いて、新しく開けた店の広告、それから芝居見せものなどの興業の広告をするのである。」
 ここに書かれた当時の広告塔を模して、昭和37年、勝山公園近くの紫川のほとりに、六角柱の鴎外文学記念碑が建てられた。

鴎外通り  鴎外は馬で小倉城内の師団に通勤したが、その時通った道が、今は鴎外通りと名づけられている。
杉田久女句碑  鴎外通りが平和通りと交差する所の左手に小公園があり、そこにこの碑がある。杉田久女は杉田宇内と結婚して小倉に居住、この近くに最も長く住んだ、と案内板にある。句は「花衣ぬぐや纏はるひもいろいろ」。
無法松之碑  紫川に架かる常盤橋に出ようと歩いていたら、この碑に出合った。小倉生まれの作家、岩下俊作の『富島松五郎伝』の主人公が「無法松」。この作品は何度も映画化され、劇化もされた。白黒映画『無法松の一生』(稲垣浩監督、1943)の、坂妻(坂東妻三郎)の「無法松」が懐かしい。文学座の『富島松五郎伝』も国立劇場で観たが、誰が「無法松」を演じたか記憶にない。碑の下には、『無法松の一生』のシナリオが埋められているという。
常盤橋  鴎外が馬で通ったという橋は、「木の橋」として以前の姿に復元、歩行者専用の橋になっている。
鴎外橋  この「水鳥の橋」の通称は、「鴎外橋」だ。前方の森は小倉城のある勝山公園で、そこに鴎外の属した師団司令部があった。
森鴎外文学碑(中央)  右手の森は勝山公園、ビルは北九州市庁舎。